「ドリア」。この洋食の名前を聞くと、多くの人はヨーロッパ発祥の料理を思い浮かべるでしょう。しかし、実はこの人気メニューの起源は日本にあります。そして、横浜にあるホテルが関係しています。
この記事では、ドリアの発祥と名前の由来について詳しくご紹介します。
ドリアの発祥国は日本 誕生の歴史
ドリアが最初に作られたのは、1930年代の横浜です。横浜にある有名なホテル、ホテルニューグランドの初代総料理長であったサリー・ワイル氏が、この料理を考案しました。サリー・ワイル氏はスイス出身のシェフで、彼はフランスやイタリアの料理にも精通していました。
サリー・ワイル氏は、体調が悪くなった欧州出身の銀行家のために、特別な料理を作ることになりました。彼はピラフの上にエビのクリーム煮をかけ、その上にベシャメルソースとチーズを加えてオーブンで焼き上げた料理を作りました。これが、今日私たちが知っているドリアの始まりです。
この新しい料理はすぐに人気を博し、ホテルニューグランドの名物料理となりました。その後、サリー・ワイル氏の弟子たちがこの料理を他のホテルやレストランに広め、日本全国で愛される料理に成長しました。
ドリアの誕生は、異文化の融合と創造性の素晴らしい例です。日本の食文化に新しい風を吹き込んだこの料理は、今では多くの人々に親しまれています。
「ドリア」名前の由来
「ドリア」という名前は、サリー・ワイル氏が考案したものですが、実はこの名前には特別な背景があります。この名前は、イタリアのジェノバ共和国に属する名門貴族、ドーリア家に由来しているんです。特に、ドーリア家の中でも有名な人物、16世紀の海軍提督アンドレア・ドーリアの名前が元になっています。
では、なぜサリー・ワイル氏はこの名前を選んだのでしょうか?正確な理由ははっきりとしていませんが、アンドレア・ドーリア提督はその軍事的な才能と共和国での影響力で知られており、彼の名前を料理に冠することは、その料理に特別な印象を与える意味があったのかもしれません。
サリー・ワイル氏のこの創意工夫は、ドリアが単なる料理以上のもの、つまり特別な存在感を持つ料理になる手助けをしました。その結果、ドリアは日本のみならず、世界中で知られるようになったのです。