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マーコットとオレンジ・マンダリンの違いを徹底比較|味・旬・皮・種・食べ方

マーコットを店頭で見かけ、「オレンジの一種なのか、それともマンダリンなのか」と迷ったことはないでしょうか。

濃いオレンジ色の果皮や豊富な果汁はオレンジに似ていますが、平たい形や手で皮をむける点はマンダリンに近く、見た目だけでは違いを判断しにくい柑橘です。

結論からいうと、マーコットは一般的なスイートオレンジそのものではありません。マンダリンに近い特徴を持ち、マンダリンとオレンジの交雑系統である「タンゴール」として扱われる品種です。

ただし、店頭で「マーコット」と呼ばれている果実には、伝統的なマーコットのほか、別品種のW.マーコットやアフォーラーマンダリンが含まれることがあります。品種によって皮のむきやすさや種の数が異なるため、名称だけで食べやすさを決めつけないことが大切です。

この記事では、マーコットとオレンジ、マンダリンの違いを、分類だけでなく、味、旬、果汁、皮、種、食べ方まで具体的に比較します。

目次

マーコットとオレンジ・マンダリンの違いを先に整理

マーコット、オレンジ、マンダリンの関係を理解するには、「品種名」と「大きな分類」を分けて考える必要があります。

オレンジやマンダリンは複数の品種を含む大きなグループであるのに対し、マーコットは特定の品種名です。そのため、3つを完全に同じ階層で並べると、違いがわかりにくくなります。

比較項目マーコットオレンジ・マンダリン
分類上の位置づけマンダリンとオレンジの交雑系統とされるタンゴールオレンジとマンダリンはそれぞれ複数品種を含むグループ
食味の傾向甘みと果汁が強く、香りが濃厚オレンジは爽やかな甘酸っぱさ、マンダリンは甘く香り豊か
皮と種品種や栽培条件により差が大きいマンダリンはむきやすい品種が多く、オレンジは比較的皮が密着
主な用途生食、デザート、果汁を生かす料理オレンジは生食・ジュース・料理、マンダリンは主に生食

選び方を端的にまとめると、次のようになります。

  • 濃い甘みとたっぷりの果汁を重視するならマーコット
  • 手を汚しにくく、簡単に皮をむきたいなら温州みかんなどのマンダリン
  • ジュースや料理にも幅広く使いたいならネーブルやバレンシアなどのオレンジ
  • 種を避けたい場合は、マーコットという名称だけでなく品種表示を確認する
  • 子どものおやつや弁当用なら、皮のむきやすさと種の少なさを優先する

マーコットは、オレンジの濃厚な果汁感と、マンダリンらしい甘さや食べやすさを併せ持つ果実です。

一方で、すべてのマーコットが種なしで簡単にむけるわけではありません。この個体差と品種差が、購入時に迷いやすい最大の理由です。

マーコットとはどのような柑橘なのか

マーコットという名前は、スーパーや青果店ではマンダリンの一種として扱われることが少なくありません。

それ自体は実用上大きな間違いではありませんが、植物の成り立ちまで見ると、単純なマンダリンではなく、マンダリンとスイートオレンジの交雑系統と考えられています。

マーコットはマンダリン寄りのタンゴール

タンゴールとは、英語の「tangerine」と「orange」を組み合わせて作られた呼び名で、マンダリン類とスイートオレンジの交雑系統を指します。

フロリダ大学は、マーコットの正確な起源は不明としながらも、マンダリン系の果実とスイートオレンジの交雑によるタンゴールである可能性が高いと説明しています。カリフォルニア大学リバーサイド校の柑橘品種資料でも、マーコットは起源不明のタンゴールとして扱われています。

果実の姿はマンダリンに近く、やや平たい形をしています。果皮と果肉は濃いオレンジ色で、果汁が多く、甘みと酸味の両方を感じられる豊かな風味が特徴です。

一方、温州みかんのように果皮が浮いていて簡単にむけるとは限りません。伝統的なマーコットは果皮が薄いものの、果肉にやや密着しており、一般的なマンダリンよりむきにくい場合があります。

オレンジのように見える理由

マーコットをオレンジだと思う人が多いのは、果皮と果肉の色が濃く、果汁が非常に多いからです。

完熟したマーコットは、温州みかんよりも色が深く、切ったときの果肉も鮮やかなオレンジ色をしています。味も軽快というより濃厚で、果汁を含んだ果肉から強い甘みと柑橘らしい酸味が広がります。

この食味は、ネーブルオレンジやバレンシアオレンジに通じる部分があります。ただし、形は一般的なオレンジほど丸くなく、小ぶりで平たいものが中心です。

手で皮をむいて房ごと食べられる点も、スイートオレンジよりマンダリンに近い特徴です。

「ハニーマーコット」と呼ばれる理由

マーコットは、産地や販売地域によって「ハニーマーコット」や「ハニータンジェリン」と呼ばれることがあります。

これは蜂蜜を加えて栽培しているという意味ではなく、完熟時に蜂蜜を思わせる濃い甘みが感じられることから付けられた流通名です。

オーストラリアの柑橘業界団体も、マーコットを糖度と果汁量が特に高く、甘く豊かな蜂蜜のような風味を持つ品種として紹介しています。

ただし、甘さの感じ方は酸味とのバランスにも左右されます。単に砂糖のように甘いのではなく、十分に熟した果実では、濃い甘さの後に柑橘らしい酸味と香りが残るのがマーコットの魅力です。

オレンジとマンダリンの違い

マーコットの位置づけを正しく理解するには、比較対象となるオレンジとマンダリンの違いも押さえておく必要があります。

日常会話では、オレンジ色の柑橘をまとめて「オレンジ」と呼ぶことがありますが、青果の分類や食べ方では両者に明確な傾向の違いがあります。

オレンジは果汁と加工適性に優れる

日本の店頭で「オレンジ」として販売される代表的な品種は、ネーブルオレンジやバレンシアオレンジです。

ネーブルは種が少なく、そのまま食べる用途に向いています。バレンシアは果汁が多く、ジュース用としても広く使われます。オレゴン州立大学の資料でも、ネーブルは生食向き、バレンシアは果汁用として代表的な品種に挙げられています。

一般的なスイートオレンジは、マンダリンに比べて大きく、丸みがあります。果皮は比較的丈夫で果肉に密着しているため、手でむくより、ナイフでくし形や輪切りにしたほうが食べやすいものが少なくありません。

房を包む薄皮もマンダリンより存在感があるため、一房ずつ食べるより、切って果肉をかじったり、薄皮を取り除いて料理に使ったりする食べ方が適しています。

マンダリンは皮のむきやすさと香りが特徴

マンダリンは、小ぶりでやや平たく、果皮を手でむきやすい柑橘の大きなグループです。

日本で身近な温州みかんのほか、クレメンタイン、サツマ、タンジェリンなども広い意味でマンダリン類に含まれます。

カリフォルニア大学の園芸資料では、マンダリンは「皮をむきやすいオレンジ色の果実からなる多様なグループ」と説明されています。ただし、クレメンタインのように栽培条件によって種が増える品種もあり、すべてが種なしとは限りません。

オレンジよりも香りが華やかで、果皮をむいた瞬間に強く香る品種が多い点も特徴です。

そのまま房に分けて食べやすいため、家庭のおやつや弁当、持ち歩き用の果物に適しています。

オレンジとマンダリンは完全に無関係ではない

現在の柑橘研究では、一般的なスイートオレンジも、マンダリンとザボン類の祖先を持つ交雑由来の柑橘と考えられています。

カリフォルニア大学リバーサイド校の解説では、主要な柑橘は複雑な交雑によって成立しており、スイートオレンジにはマンダリンとポメロの祖先が含まれるとされています。

つまり、オレンジとマンダリンは、完全に切り離された無関係の果物ではありません。

近縁で交雑しやすいため、マーコットのように両方の性質を持つ品種が存在し、見た目や味だけで分類するのが難しくなっています。

マーコットとオレンジ・マンダリンの味の違い

柑橘を選ぶうえで、分類より重要なのが実際の味です。

同じ品種でも産地、収穫時期、熟度、保存状態によって甘さと酸味は変わりますが、マーコット、オレンジ、一般的なマンダリンにはそれぞれ異なる食味の傾向があります。

マーコットは甘みと果汁の密度が高い

マーコットの味を一言で表すなら、「甘く、濃く、果汁が多い」です。

温州みかんのようなやさしい甘さに比べると、マーコットは果汁の中に甘みが凝縮されているように感じられます。適度な酸味も残るため、甘いだけで平坦にならず、後味には柑橘らしい爽やかさがあります。

カリフォルニア大学の品種資料では、伝統的なマーコットの果肉は柔らかく非常に多汁で、風味が豊かで生き生きしていると記載されています。

完熟度が高いものは、甘い柑橘を好む人に向いています。一方、さっぱりした温州みかんを好む人には、甘みが強すぎる、果汁が多く手が汚れやすいと感じられることもあります。

オレンジは甘さと酸味の輪郭が明確

ネーブルやバレンシアなどのオレンジは、爽やかな香りと、輪郭のはっきりした甘酸っぱさが魅力です。

マーコットより果実が大きく、一口あたりの果汁量も多いため、切った果実を豪快に食べたいときや、ジュースとして飲みたいときに適しています。

ネーブルは比較的酸味が穏やかで生食向きです。バレンシアは果汁が多く、甘さの中にすっきりした酸味があり、絞っても味がぼやけにくい傾向があります。

料理に使う場合も、オレンジは果汁だけでなく、果皮の香りや見た目の鮮やかさを生かしやすい果物です。

マンダリンは品種ごとの香りを楽しみやすい

マンダリンは種類が多いため、味を一括りにはできません。

温州みかんはやわらかな甘みと穏やかな酸味が中心ですが、クレメンタインは香りが強く、品種によってはスパイスを思わせる複雑な香りを持ちます。

マーコットもマンダリン系の華やかな香りを持ちますが、一般的な温州みかんより甘みと果汁感が強く、オレンジに近い濃厚さがあります。

軽く食べられる柑橘を求めるなら温州みかん、香りと濃い甘さを求めるならマーコットという分け方がわかりやすいでしょう。

皮のむきやすさ・種・大きさの違い

マーコット選びで特に注意したいのが、皮と種です。

「マンダリンだから簡単にむけて種も少ない」と思って購入すると、予想以上に皮が密着していたり、多くの種が入っていたりする場合があります。

伝統的なマーコットは種が多いことがある

フロリダで栽培される伝統的なマーコットは、直径がおよそ6.4~7.6センチの中玉で、赤みを帯びたオレンジ色の果皮を持ちます。

手で皮をむくことはできますが、一般的なタンジェリンよりむきにくく、1果に12~24個ほどの種が入る場合があると報告されています。

種の多さは、マーコットの代表的な弱点です。

果汁と味の評価は高くても、子どもが一人で食べる場合や、種を取り除く手間を避けたい場合には向かないことがあります。

W.マーコットは別の品種

店頭で見かける「W.マーコット」や「アフォーラー」は、伝統的なマーコットと同じ品種ではありません。

カリフォルニア大学リバーサイド校の品種資料では、W.マーコットはモロッコから導入された起源不明のタンゴールであり、マーコットとは別品種だと明記されています。

W.マーコットは、平たい形、薄く滑らかな果皮、濃い甘さ、多い果汁が特徴です。果皮は伝統的なマーコットよりむきやすい傾向があります。

ただし、周囲に別の柑橘があり、交差受粉が起こると種が増えます。隔離された環境では種が少なくても、栽培条件によっては種ありになるため、「W.マーコットなら必ず種なし」とは限りません。

種なしタイプも流通している

W.マーコットからは、種を大幅に減らした「タンゴ」という品種も育成されています。

カリフォルニア大学の試験では、交差受粉が起こる環境でも、タンゴは1果あたりの種が平均0.16個未満だったのに対し、比較対象のW.マーコットには平均8~15個の種が確認されました。

タンゴの味や外観はW.マーコットに近く、濃いオレンジ色、豊富な果汁、強い甘みを持ちながら、種の少なさを実現しています。

マーコットに似た果実なのに種がほとんど入っていない場合は、こうした低種子系統や派生品種である可能性があります。

購入時は、次の表示を確認すると失敗を減らせます。

  • 「マーコット」「ハニーマーコット」なのか
  • 「W.マーコット」「アフォーラー」なのか
  • 「タンゴ」などの低種子品種なのか
  • 商品説明に「種あり」「種が入る場合あり」と書かれているか
  • 手でむけることを重視した商品なのか、味を重視した商品なのか

同じマーコット系でも、品種表示が異なれば、皮のむきやすさと種の数は変わります。

通販で箱買いする場合は、商品名だけでなく、品種説明や種に関する注意書きまで確認しましょう。

マーコットの旬は産地によって異なる

マーコットの旬を調べると、冬と説明する情報もあれば、夏から秋と説明する情報もあります。

これは情報の間違いではなく、北半球と南半球で収穫時期が反対になるためです。日本では輸入果実として流通することが多く、産地によって店頭に並ぶ季節が変わります。

北半球産は冬から春が中心

フロリダの伝統的なマーコットは、1月から3月ごろに成熟する晩生の柑橘です。

W.マーコットも、カリフォルニア州リバーサイドでは1月から3月が成熟期とされています。

北半球産のマーコットは、日本の温州みかんの最盛期が終わり始める冬後半から春先にかけて流通しやすい果実です。

ただし、収穫後の輸送や貯蔵期間があるため、産地の収穫時期と日本の店頭に並ぶ時期は完全には一致しません。

オーストラリア産は夏から秋に流通しやすい

南半球にあるオーストラリアでは、日本と季節が逆になります。

西オーストラリア州の業界団体は、ハニーマーコットの流通時期を7月から9月、アフォーラーを7月から11月と案内しています。ハニーマーコットは晩生で、甘い一方、種があり、アフォーラーほど簡単にはむけない品種として紹介されています。

オーストラリア全体のマンダリン収穫は6月から9月に集中し、地域差を含めると3月から10月ごろまで続きます。

日本では国産みかんが少ない夏から秋に、オーストラリア産のマーコットやアフォーラーが売り場を補うことがあります。

旬だけでなく熟度を確認する

旬の時期でも、すべての果実が同じ甘さとは限りません。

マーコットは酸味が抜けて甘みとのバランスが整ったときに、濃厚な魅力を発揮します。収穫が早すぎるものは酸味が目立ち、長く保管されたものは果汁感や香りが弱くなることがあります。

果皮の色だけで判断せず、持ったときの重さや張りも確認しましょう。

同じ大きさなら、ずっしり重い果実のほうが果汁を多く含んでいる可能性があります。

用途に合った選び方

マーコット、オレンジ、マンダリンのどれが優れているかは、何を重視するかによって変わります。

甘さ、食べやすさ、種の少なさ、果汁量、料理への使いやすさを分けて考えると、自分に合う果実を選びやすくなります。

目的選びやすい柑橘判断のポイント
濃い甘さを楽しむマーコット完熟品は果汁と甘みが強い
手軽なおやつマンダリンむきやすく房に分けやすい
ジュースや料理オレンジ大玉で果汁を絞りやすい
種を避ける温州みかん・低種子品種マーコットは品種表示の確認が必要
香りを楽しむマーコット・マンダリン果皮をむいたときの香りが豊か

濃厚な甘さを求めるならマーコット

甘い柑橘が好きで、果汁が多いものを選びたいなら、マーコットが有力です。

冷蔵庫で冷やしてそのまま食べると、濃い甘さと爽やかな酸味を楽しめます。果肉が多汁なため、ヨーグルトやアイスクリームに添えても存在感があります。

一方、種が入っている果実では、食べるたびに種を出す必要があります。

手軽さより食味を優先する人や、ゆっくりデザートとして味わいたい人に向いています。

むきやすさを優先するならマンダリン

忙しい朝や子どものおやつ、外出先で食べる果物なら、皮のむきやすいマンダリンが便利です。

特に温州みかんや種の少ないサツマ系は、皮を簡単にむいて房に分けられます。包丁やまな板を使わずに食べられる点は、オレンジや種の多いマーコットにはない強みです。

ただし、マンダリンの中にも皮が密着している品種や、種が多い品種があります。

「マンダリン」という大きな分類名だけで判断せず、品種名も確認することが重要です。

ジュースや料理にはオレンジが使いやすい

ジュースをまとめて絞るなら、果実が大きく、果汁量の多いオレンジが使いやすいでしょう。

バレンシアオレンジはジュースに向き、ネーブルオレンジは生食と料理の両方に使いやすい品種です。

オレンジは果肉を薄皮から外してサラダに加えたり、肉料理のソースに使ったりする場合にも適しています。

マーコットも果汁は豊富ですが、果実が小さく種が多いものでは、何個も絞る手間や種を除く手間がかかります。

贈答用では甘さだけで決めない

贈答用の柑橘では、味に加えて、食べやすさと受け取る人の好みを考える必要があります。

マーコットは濃い甘さと珍しさがあり、柑橘好きへの贈り物には魅力的です。ただし、種が多い品種は、幼い子どもや高齢者がいる家庭では食べにくいことがあります。

贈答用で確認したいポイントは次のとおりです。

  • 品種名と産地が明記されているか
  • 種の有無や種が入る可能性が説明されているか
  • 手でむきやすい品種か
  • 到着後すぐに食べるべき商品か
  • 傷みやすい果実への交換対応があるか

食べやすさを優先するなら、種の少ないマンダリンやネーブルオレンジのほうが無難です。

味の濃さや希少性を重視する相手には、マーコット系の品種が向いています。

おいしいマーコットの見分け方

マーコットは果汁が多い反面、保存中に水分が抜けると、本来の魅力が失われやすい果実です。

見た目の濃い色だけでなく、重さ、果皮の状態、香りを確認して選びましょう。

同じ大きさなら重いものを選ぶ

手に持ったときに、見た目より重く感じる果実は、果汁を多く含んでいる可能性があります。

マーコットの持ち味は豊富な果汁なので、軽く感じるものより、ずっしりした果実を優先するのが基本です。

大きければ必ず甘いわけではありません。樹に多くの実が付いた年は、果実が小さくなることもあるため、大きさだけで品質を判断しないようにしましょう。

果皮に張りがあるか確認する

果皮が極端にしなびているものや、一部が柔らかく沈んでいるものは避けます。

マーコットやマンダリンは、オレンジより果皮が薄いものが多く、輸送中の圧迫や乾燥の影響を受けやすい傾向があります。マンダリン系は「むきやすい果皮」を持つ一方、果皮が繊細で、一般的なオレンジやレモンより傷みやすい品種もあります。

小さな擦り傷や色むらだけであれば、中の味に影響していないこともあります。

ただし、カビ、汁漏れ、深い傷、強い発酵臭があるものは避けましょう。

表示名と産地を確認する

「マーコット」という大きな表示だけでなく、裏面や値札の小さな品種表示まで確認してください。

伝統的なマーコット、ハニーマーコット、W.マーコット、アフォーラー、ロイヤルハニーマーコットは、名称が似ていても同一とは限りません。

特に種の少なさと皮のむきやすさを重視する場合、品種名は重要な判断材料です。

産地も確認すれば、北半球産か南半球産かがわかり、収穫時期や流通時期を推測しやすくなります。

マーコットの保存方法と食べ方

マーコットは購入後すぐに食べるのが理想ですが、正しく保存すれば果汁と香りを保ちやすくなります。

果皮が薄いものは、乾燥だけでなく、果実同士の圧迫や結露にも注意が必要です。

数日で食べるなら涼しい場所で保存

気温が低く、直射日光が当たらない季節であれば、数日間は風通しのよい冷暗所で保存できます。

箱で購入した場合は、一度すべて取り出し、傷んだ果実がないか確認しましょう。傷んだ果実をそのままにすると、周囲の果実にもカビや腐敗が広がるおそれがあります。

積み重ねすぎず、柔らかい果実から先に食べるのが基本です。

室温が高い時期は、最初から冷蔵庫に入れたほうが安全です。

長く保存するなら冷蔵庫へ

冷蔵する場合は、乾燥を防ぐため、ポリ袋や保存袋に入れて野菜室で保管します。

袋を完全に密閉して結露がたまると傷みやすくなるため、果実の表面が濡れている場合は水分を拭き取ってから入れてください。

オレンジの一般的な保存目安としては、冷蔵で2~3週間とする案内がありますが、マーコットは果皮が薄く、購入時の熟度や輸送状態による差が大きい果実です。

長期保存を前提にせず、香りと果汁が十分なうちに食べ切るのがおすすめです。

食べる前に表面を洗う

皮を食べない場合でも、むいたり包丁で切ったりする前には流水で表面を洗います。

果皮に付着した汚れが、手や包丁を通じて果肉に移る可能性があるためです。

マーコットは手でむけますが、皮が密着している場合は無理に指を差し込まず、ナイフで浅く切れ目を入れると果肉を潰しにくくなります。

果汁がこぼれやすいため、皿やボウルの上でむくと後片付けが楽です。

果汁と香りを料理に生かす

マーコットはそのまま食べるだけでなく、果汁を生かした料理にも使えます。

ヨーグルト、ゼリー、シャーベット、フルーツサラダとの相性がよく、酸味が十分に残っている果実はドレッシングにも向いています。

甘みが強い果実をジュースにする場合は、レモンやライムの果汁を少量加えると味が引き締まります。

種が多いものを絞るときは、茶こしを使うと果汁だけを取り分けやすくなります。

購入前に知っておきたい注意点

マーコットは、甘さと果汁を重視する人には魅力的ですが、誰にとっても最も食べやすい柑橘とは限りません。

購入後の不満は、味よりも、種の多さ、皮のむきにくさ、名称の混同から生じることが多いため、あらかじめ弱点を理解しておきましょう。

種の数には個体差がある

同じ品種名で売られていても、受粉環境によって種の数が変わることがあります。

特にW.マーコットは、他品種からの花粉を受けると種が増えやすいため、過去に購入したものが種なしだったからといって、次回も同じとは限りません。

商品説明に「種なし」と書かれている場合でも、「まれに種が入る」といった注記がないか確認しましょう。

種を絶対に避けたい用途では、温州みかんや、低種子品種として明記された商品を選ぶほうが確実です。

「マーコット」と「W.マーコット」を混同しない

名前がよく似ているため、販売ページや解説記事でも、伝統的なマーコットとW.マーコットの特徴が混ざっていることがあります。

伝統的なマーコットは、種が多く、皮もマンダリンの中ではややむきにくい傾向があります。

W.マーコットは果皮が比較的むきやすく、受粉が少ない環境では種が少なくなりますが、交差受粉によって種が増えます。両者は同じものではないため、購入時には正式な品種名を確認してください。

「ハニー」という言葉も、特定品種を厳密に示す場合と、甘さを表す販売名として使われる場合があります。

名称だけで判断せず、産地、品種、種の有無に関する説明を組み合わせて確認することが大切です。

今後は種の少ない品種が増える可能性がある

近年のマンダリン市場では、濃い味だけでなく、皮がむきやすく種が少ない品種が重視されています。

オーストラリアの直近の柑橘統計でも、W.マーコット系の栽培面積が大きく増え、タンゴなどの低種子・種なし品種も拡大していることが報告されています。

今後は、マーコットらしい甘さと果汁を持ちながら、種の不便さを減らした品種がさらに流通する可能性があります。

一方で、品種名よりブランド名を大きく表示する商品も増えると考えられるため、消費者側には品種説明を確認する習慣が必要です。

マーコットとオレンジ・マンダリンに関するよくある質問

マーコットの分類や種については、販売表示だけでは判断しにくい疑問が残りやすいものです。

ここでは、購入前に確認しておきたいポイントを、簡潔に整理します。

マーコットはオレンジですか

一般的なネーブルオレンジやバレンシアオレンジと同じスイートオレンジではありません。

起源は完全には特定されていませんが、マンダリンとスイートオレンジの交雑系統であるタンゴールと考えられています。

果実の姿や食べ方は、オレンジよりマンダリンに近いと考えるとわかりやすいでしょう。

マーコットとマンダリンは同じですか

厳密には、マンダリンは大きなグループ名、マーコットは特定の品種名です。

マーコットはマンダリン系の果実として販売されることが多く、実用上はマンダリンの仲間として扱われています。

ただし、オレンジの性質も受け継いだタンゴール系統であり、温州みかんなどの純粋なマンダリン系品種とは異なる特徴を持ちます。

マーコットは甘いですか

完熟したマーコットは、一般的に甘みが強く、果汁も豊富です。

蜂蜜のような甘さを意味する「ハニーマーコット」という呼び名が使われるほど、濃厚な食味で知られています。

ただし、収穫時期が早いものは酸味が強く、保存期間が長いものは香りや果汁感が弱くなる場合があります。

マーコットには種がありますか

伝統的なマーコットには、多くの種が入る場合があります。

W.マーコットは栽培環境によって種の数が変わり、交差受粉が起こると種が増えます。

タンゴなど、W.マーコットから育成された種の少ない品種もあるため、種を避けたい場合は商品名と品種説明を確認してください。

マーコットの皮は手でむけますか

多くのマーコット系品種は手でむけますが、温州みかんほど簡単ではない場合があります。

伝統的なマーコットは果皮がやや密着し、W.マーコットやアフォーラーは比較的むきやすい傾向があります。

皮が硬いときは、ナイフで浅い切れ目を入れると果肉を潰さずにむけます。

マーコットとオレンジはどちらがジュース向きですか

大量に絞るなら、大玉で果汁を取りやすいバレンシアオレンジが便利です。

マーコットも果汁が多く甘いジュースになりますが、果実が小さく、種が多いものでは下処理に手間がかかります。

少量を濃厚なデザートドリンクとして楽しむならマーコット、日常的に多く絞るならオレンジが使いやすいでしょう。

まとめ

マーコットとオレンジ、マンダリンの違いで最も重要なのは、マーコットが独立した大分類ではなく、マンダリンとオレンジの交雑系統とされる特定の品種だという点です。

見た目や果汁の豊富さはオレンジに近い一方、小ぶりで平たい形や、手で皮をむいて房ごと食べられる点はマンダリンに近くなっています。

味は甘く濃厚で、果汁量と香りを重視する人にはマーコットが向いています。

反対に、皮のむきやすさや種の少なさを最優先するなら、温州みかんなどのマンダリンや、タンゴをはじめとする低種子品種のほうが選びやすいでしょう。

また、「マーコット」と「W.マーコット」は別品種です。ハニーマーコット、アフォーラー、タンゴなど、似た名称の果実が流通しているため、購入時は品種名、産地、種の有無を確認してください。

濃い甘さとあふれる果汁を味わいたいならマーコット、手軽にむいて食べたいならマンダリン、ジュースや料理にも幅広く使いたいならオレンジという基準で選ぶと、自分の目的に合う柑橘を見つけやすくなります。

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