「忘備録」と「備忘録」は漢字の順番が似ているため、どちらを使えばよいのか迷いやすい言葉です。
結論からいうと、一般的な文章やビジネス文書では「備忘録(びぼうろく)」を使うのが無難です。
「忘備録(ぼうびろく)」も一部の辞書には「備忘録と同じ意味」として掲載されています。ただし、「備忘録」のほうが基本となる表記として扱われているため、迷ったときは「備忘録」を選びましょう。
結論|忘備録と備忘録で迷ったら「備忘録」を使う
「忘備録」と「備忘録」は、どちらも忘れないために書き留めておく記録を表す言葉として使われます。
辞書に掲載されている表記ではありますが、読み方や一般性には違いがあります。仕事のメール、社内資料、ブログ記事など、ほかの人が読む文章では「備忘録」と書くと伝わりやすいでしょう。
判断の目安は次のとおりです。
- 一般的な文章で使うなら「備忘録」
- ビジネスメールや資料でも「備忘録」
- 「備忘録」の読み方は「びぼうろく」
- 「忘備録」は「ぼうびろく」と読む
- 「忘備録」も辞書にはあるが、書き間違いと思われる可能性がある
表記に迷った場合は、辞書や文章作成ソフトの変換候補を確認するのもひとつの方法です。
忘備録と備忘録の違いを比較表で確認
「忘備録」と「備忘録」は意味がほぼ同じである一方、読み方や一般的な使われ方が異なります。
特に、取引先へのメールや公開する文章では、読み手に違和感を与えない表記を選ぶことが大切です。
| 比較項目 | 備忘録 | 忘備録 |
|---|---|---|
| 読み方 | びぼうろく | ぼうびろく |
| 意味 | 忘れたときのために書き留めておく記録 | 備忘録と同じ意味 |
| 辞書での扱い | 基本となる見出し語として掲載 | 備忘録と同じ意味の語として掲載される場合がある |
| 一般的な表記 | 広く使われている | 書き間違いと思われることがある |
| ビジネスでの使用 | 使いやすい | 避けたほうが無難 |
| 迷った場合 | こちらを選ぶ | あえて選ぶ必要は少ない |
デジタル大辞泉では、「忘備録」は「備忘録に同じ」と説明されています。一方、「備忘録」には、忘れたときの用意として用件などを書き留める帳面やメモという具体的な説明があります。
忘備録と備忘録の違いを項目別に解説
2つの言葉を使い分けるには、意味だけでなく、読み方や辞書での扱いも確認する必要があります。
同じ意味で通じることがあっても、文章の用途によっては適切な表記が異なります。
読み方の違い
「備忘録」の読み方は、びぼうろくです。
「忘備録」は、辞書ではぼうびろくと読まれます。漢字の並びが入れ替わっているだけでなく、読み方も異なる点に注意しましょう。
- 備忘録:びぼうろく
- 忘備録:ぼうびろく
「備忘録」を「ぼうびろく」と読んだり、「忘備録」を「びぼうろく」と読んだりしないように確認しておくと安心です。
意味に大きな違いはない
「備忘録」は、忘れたときに確認できるよう、必要な事柄を書き留めておく帳面やメモを意味します。
「忘備録」も、辞書上は「備忘録と同じ」とされているため、意味そのものに大きな違いはありません。
例えば、次のような記録が備忘録に当たります。
- 会議で決まった内容
- 作業手順や設定方法
- 後日対応する仕事
- 忘れやすいパスワードの管理方法
- 読んだ本から学んだこと
- 旅行やイベントの準備事項
単なる短いメモだけでなく、あとから自分やほかの人が確認するために整理した記録にも使えます。
一般性は「備忘録」のほうが高い
国立国語研究所の解説では、辞書で「備忘録」だけが掲載されている場合や、「備忘録」の説明に補足として「忘備録」が載っている場合があるとされています。
また、「忘備録」は「忘れたときに備える」という意味から、漢字の順序を入れ替えて覚えてしまった表現として紹介されています。
そのため、次のような文章では「備忘録」を選ぶのが無難です。
- 取引先へのメール
- 社内で共有する文書
- 報告書や議事録
- 学校へ提出する文章
- Webサイトやブログの記事
- 不特定多数が読むSNS投稿
「忘備録」が必ずしも辞書にない言葉というわけではありませんが、読み手から誤字だと思われる可能性は考慮しておきましょう。
「備忘録」が向いている場面
「備忘録」は、個人的なメモから仕事上の記録まで幅広く使えます。
特に、ほかの人が読む可能性のある文章では、一般的な表記である「備忘録」を選ぶと意図が伝わりやすくなります。
ビジネスメールや社内資料
仕事では、会議内容や業務手順などを記録する場面で使えます。
例文は次のとおりです。
- 備忘録として、本日の打ち合わせ内容を共有します。
- 今後の対応について、備忘録を作成しました。
- 引き継ぎ時に確認できるよう、備忘録として残しておきます。
- 以下は自分用の備忘録です。
- 作業手順を備忘録にまとめました。
ただし、正式な決定事項を共有する場合は、「備忘録」より「議事録」「報告書」「確認事項」などの具体的な名称が適していることもあります。
ブログやSNSのタイトル
ブログでは、自分が経験したことや調べたことを記録する記事に「備忘録」という言葉が使われます。
例えば、次のようなタイトルです。
- パソコンの初期設定に関する備忘録
- 引っ越し手続きの備忘録
- 資格試験の勉強方法を備忘録として残します
- 海外旅行で必要だったものの備忘録
公開記事では、検索する人や読者が理解しやすい「備忘録」を使うほうが適しています。
自分だけが見る個人的なメモ
自分だけが確認するメモであれば、必ずしも言葉を厳密に使い分ける必要はありません。
それでも、普段から「備忘録」と書いておけば、メールや資料を作成するときに表記を間違えにくくなります。
「忘備録」を使う前に確認したいこと
「忘備録」も辞書に掲載されているため、常に誤字と断定できるわけではありません。
ただし、「備忘録」の書き間違いだと判断する人もいるため、使用する場面を選ぶ必要があります。
正式な文章では避けるのが無難
取引先へのメールや提出書類などでは、「忘備録」ではなく「備忘録」を使いましょう。
意味が伝わったとしても、表記の間違いを指摘されたり、文章の確認が不十分だと思われたりする可能性があります。
特別な理由がない限り、一般的な表記を選んだほうが安心です。
固有のタイトルとして使われている場合がある
個人のブログ名、作品名、ノートのタイトルなどでは、あえて「忘備録」が使われる場合があります。
固有名詞として使われている名称を引用するときは、勝手に「備忘録」へ修正せず、元の表記を確認しましょう。
文章内で表記を統一する
同じ文章の中で「忘備録」と「備忘録」が混在すると、意図的な使い分けなのか、単なる入力ミスなのか分かりにくくなります。
特別な理由がなければ、文章全体を「備忘録」に統一してください。
忘備録と備忘録で迷ったときの選び方
どちらを使うか判断できないときは、文章を読む相手と使用目的を考えましょう。
基本的には「備忘録」を選べば、多くの場面で違和感なく使用できます。
ビジネスや公的な文章では「備忘録」
取引先へのメール、社内文書、学校への提出物などでは「備忘録」を使います。
より正式な文書では、「議事録」「記録」「報告書」「確認事項」などに言い換えられないかも検討しましょう。
個人的な記録でも「備忘録」が分かりやすい
自分用のブログやノートでも、「備忘録」と書いておくと読み方や意味が伝わりやすくなります。
検索や文章変換でも「備忘録」のほうが見つけやすいため、特別な意図がない場合は表記をそろえるのがおすすめです。
固有名詞は元の表記を優先する
書籍、映画、ブログ、サービスなどの名称に「忘備録」が含まれている場合は、正式名称を確認してください。
一般的な言葉の使い分けと、固有名詞の表記は分けて考える必要があります。
備忘録・メモ・日記・議事録の違い
備忘録と似た言葉には、「メモ」「日記」「議事録」などがあります。
記録する目的や共有する相手によって、適切な言葉を選びましょう。
| 言葉 | 主な目的 | 内容の特徴 |
|---|---|---|
| 備忘録 | 忘れたときに確認する | 必要な情報や手順を残す |
| メモ | 情報を簡潔に書き留める | 短い言葉や箇条書きが多い |
| 日記 | 日々の出来事を記録する | 経験や感想を時系列で残す |
| 議事録 | 会議内容を共有・保存する | 発言、決定事項、担当者などを記録する |
| 覚え書き | 忘れないために書き留める | 備忘録に近い意味で使われる |
自分のために残す簡単な記録なら「備忘録」や「メモ」が使えます。
一方、会議の決定事項を正式に残す場合は、「備忘録」ではなく「議事録」としたほうが文書の目的が明確です。
忘備録・備忘録を使うときの注意点
「備忘録」という言葉を使えば、すべての記録に適しているわけではありません。
文章の目的や読み手に合わせて、より具体的な言葉に置き換えることも大切です。
「備忘録なので責任がない」という意味にはならない
文書のタイトルに「備忘録」と書いても、記載内容の正確性や責任がなくなるわけではありません。
仕事上の重要な内容を共有するときは、作成日、作成者、確認者、決定事項なども明記しましょう。
正式な記録には具体的な名称を使う
次のような情報を残す場合は、目的に合った名称を使うと分かりやすくなります。
- 会議内容:議事録
- 業務の経過:作業記録
- 発生した問題:障害報告書
- 手順の説明:マニュアル
- 決定事項の共有:確認書
- 契約内容の補足:覚書
「備忘録」は幅広く使える一方、正式な書類の名称としては内容が曖昧になる場合があります。
読み方にも注意する
「備忘録」は「びぼうろく」と読みます。
「ぼうびろく」と入力して「忘備録」と変換すると、文章内で表記が入れ替わる可能性があります。送信や公開の前に、「備」と「忘」の順番を確認しましょう。
よくある質問
「忘備録」と「備忘録」について、迷いやすいポイントをまとめます。
表記だけでなく、読み方や使用場面も確認しておくと間違いを防ぎやすくなります。
忘備録と備忘録はどっちが正しいですか?
一般的な文章では「備忘録」が基本となる表記です。
「忘備録」も一部の辞書では「備忘録と同じ意味」として掲載されていますが、ビジネス文書や公開する文章では「備忘録」を使うのが無難です。
備忘録の読み方は何ですか?
「備忘録」は「びぼうろく」と読みます。
「忘備録」は「ぼうびろく」と読むため、漢字の順番と読み方を一緒に覚えておきましょう。
忘備録は間違った日本語ですか?
辞書によっては「忘備録」も見出し語として掲載され、「備忘録と同じ意味」と説明されています。そのため、完全に存在しない言葉とはいえません。
ただし、国立国語研究所では、辞書上の中心的な扱いは「備忘録」であり、「忘備録」は補足的に掲載される場合があると説明されています。正式な文章では「備忘録」を選ぶとよいでしょう。
「備忘録として残す」は正しい使い方ですか?
「備忘録として残す」は、忘れたときに確認できるよう記録しておくという意味で使えます。
例えば、「今後の参考になるよう、作業内容を備忘録として残します」のように使用できます。
備忘録と日記の違いは何ですか?
備忘録は、忘れたときに確認するための情報や手順を記録するものです。
日記は、その日に起きた出来事や感じたことを時系列で残すものです。ただし、個人的な記録では両方の要素が含まれることもあります。
会議の内容は備忘録と議事録のどちらにしますか?
正式な会議内容を参加者と共有する場合は、「議事録」が適しています。
自分が後から確認するために要点だけを残す場合は、「会議の備忘録」と表現できます。用途に合わせて使い分けましょう。
まとめ|忘備録より備忘録を使うのが無難
「忘備録」と「備忘録」は、どちらも忘れないために残す記録という意味で使われます。
ただし、一般的な表記と読み方は「備忘録(びぼうろく)」です。「忘備録(ぼうびろく)」も辞書に掲載されていますが、書き間違いだと思われる可能性があります。
違いをまとめると、次のとおりです。
- 備忘録の読み方は「びぼうろく」
- 忘備録の読み方は「ぼうびろく」
- 意味に大きな違いはない
- 辞書では「備忘録」が中心的な表記
- ビジネスや正式な文章では「備忘録」が無難
- 固有名詞では元の表記を確認する
- 会議の正式な記録には「議事録」が適している
迷った場合は、「忘れることに備える記録=備忘録」と覚えておきましょう。