「担当者との面談」「入院中の家族との面会」「企業の採用面接」のように、面談・面会・面接はいずれも、人と人が会う場面で使われる言葉です。
ところが、実際に何をする場なのか、評価される可能性があるのか、どの程度準備すべきなのかは大きく異なります。
結論からいうと、面談・面会・面接の違いは、主に「会う目的」で判断できます。
面談は話し合いや情報共有、面会は特定の相手に会うこと、面接は質問や確認を通じた評価・調査を中心とする言葉です。
ただし、「面談なら評価されない」「面接なら必ず採用選考」と単純に決めつけることはできません。職場の人事面談や相談援助の面接など、使われる分野によって意味が変わるためです。
この記事では、三つの言葉の基本的な意味から、就職活動、ビジネス、学校、病院・施設での使い分けまで詳しく解説します。
面談・面会・面接の違いは会う目的で決まる
三つの言葉は、いずれも人と人が何らかの形で向き合うことを表します。
迷ったときは、その場で「話し合うこと」「相手に会うこと」「質問して判断すること」のどれが中心なのかを考えると、適切な言葉を選びやすくなります。
三つの言葉の違いを一覧で比較
| 言葉 | 中心となる目的 | 典型的な使用場面 |
|---|---|---|
| 面談 | 話し合い、相談、情報共有 | 個人面談、人事面談、カジュアル面談 |
| 面会 | 特定の相手に会うこと | 病院での面会、施設での面会、役職者との面会 |
| 面接 | 質問、確認、評価、調査 | 採用面接、入学面接、調査面接 |
面談は、辞書では相手と直接会って話をすることを意味します。単に顔を合わせるだけでなく、相談や意見交換など、会話そのものに重点が置かれる言葉です。
面会は、人と会うこと、対面することを意味します。特に、病院や施設にいる人、普段は簡単に会えない人、一定の地位にある人などと、予約や許可を得て会う場面で使われる傾向があります。
面接には、直接会うという意味に加えて、入学や入社の希望者に質問し、能力や人物像などを確認するという意味があります。また、採用以外にも、相談、調査、心理支援など、一定の目的を持った聞き取りを指す場合があります。
三つの違いを短く整理すると、次のようになります。
- 話し合いや相談が中心なら「面談」
- 特定の相手に会うこと自体が中心なら「面会」
- 質問や確認によって判断・評価するなら「面接」
ただし、これは言葉を選ぶための基本原則です。
実際の目的や進め方は、開催者の説明、案内文、評価との関係などを確認したうえで判断する必要があります。
「会う」「話す」「判断する」のどこに重点があるか
面談では、双方が話すことに意味があります。
たとえば、上司と部下が仕事の進み具合を確認する、教師と保護者が子どもの学校生活について情報を共有する、求職者と企業担当者がお互いの希望を確認するといった場面です。
面会では、会話が行われるかどうかよりも、通常は離れている相手や、面会に一定の手続きが必要な相手と会うことが中心です。
入院患者との面会でも当然会話はしますが、「面会」という言葉が示しているのは、相談内容よりも、患者を訪ねて会う行為です。
面接では、実施者と対象者の役割がある程度決まっています。
質問する側が必要な情報を得て、何らかの判断、評価、支援、調査につなげることが目的になるため、自由な雑談とは異なります。
面談とは直接会って話し合うこと
面談は、会話を通して相手の考えや状況を理解し、認識を共有するための場です。
採用前のカジュアル面談、職場の人事面談、学校の個人面談など、幅広い場面で使われています。
ただし、面談だからといって、必ずしも評価と無関係とは限りません。
面談では対話と情報共有が重視される
面談の「談」には、話す、語り合うという意味があります。
そのため、面談では一方が質問し続けるのではなく、双方が必要な情報を出し合い、理解を深める形が一般的です。
たとえば転職活動のカジュアル面談では、企業が仕事内容や組織について説明する一方、求職者も働き方、配属、社風、選考の流れなどを質問します。
学校の三者面談では、教師が成績を一方的に伝えるだけでなく、生徒の希望、家庭での様子、今後の進路などを本人・保護者と話し合います。
文部科学省が紹介している学校の個人面談や三者面談でも、学校と家庭の情報共有や、児童生徒に必要な支援についての共通理解が重視されています。
面談で話される主な内容
面談の内容は、実施する分野によって異なりますが、共通しているのは、現在の状況を確認し、今後の方向性を話し合うことです。
職場の面談では、業務目標、進捗、困っていること、今後伸ばしたい能力、上司からのフィードバックなどが扱われます。
国家公務員の人事評価でも、期首面談で目標や役割について認識を共有し、期末面談で評価結果を伝えて指導・助言を行う仕組みが示されています。つまり、面談は対話の場であると同時に、評価結果を共有する場にもなり得ます。
学校の面談では、学習状況、生活態度、友人関係、家庭での様子、進路希望、必要な配慮などが主な話題になります。
就職活動の面談では、企業の事業内容、募集職種、求める人物像、求職者の経験、転職理由、希望条件などが話されます。
面談は必ず対等とは限らない
面談は、面接よりも双方向の会話になりやすいものの、参加者の立場まで完全に対等になるとは限りません。
上司と部下の人事面談、教師と生徒の個人面談、人事担当者と求職者の面談では、それぞれに異なる権限や役割があります。
特に人事評価に関係する面談では、話した内容が配置、育成方針、評価、今後の業務分担などに影響することがあります。
「面談と書いてあるから、何を話しても評価に関係しない」と考えるのは避けたほうがよいでしょう。
一方で、面談は一方的に問い詰めるための場でもありません。
不明点や希望、懸念事項を自分から伝え、双方の認識のずれを減らすことが重要です。
オンラインでも面談と呼べる
面談は、同じ場所で向き合う場合だけに限定されません。
現在は、学校の個人面談や三者面談でも、ビデオ会議を使ったオンライン面談が行われています。文部科学省も、保護者が対面とオンラインから参加方法を選べる個人面談の事例を紹介しています。
したがって、「面」という漢字が使われていても、必ず対面形式でなければならないわけではありません。
話し合いや情報共有という目的が変わらなければ、オンラインで行われても面談です。
面会とは特定の相手を訪ねて会うこと
面会は、特定の場所にいる人や、日常的には自由に会えない人を訪ねる場面でよく使われます。
代表的なのは、入院患者、福祉施設の入居者、刑事施設の被収容者などとの面会です。企業や官公庁の役職者と正式に会う場合にも使われます。
面会では会うための許可や手続きが重視される
面会の特徴は、会う相手や場所によって、時間、人数、関係性、持ち込み品などが制限されることです。
病院では、患者の治療や休養、感染症対策、病棟の安全管理などを理由として、面会時間や人数が定められています。体調不良の人は面会できない、受付で面会者用の札を受け取るといったルールが設けられることもあります。
刑事施設での面会も、法律や規則に基づいて行われます。
相手との関係や面会の必要性が確認される場合があり、会話や行為の内容によっては面会が中止されることもあります。
このように、面会では「何を話し合うか」だけでなく、「その相手と会うことが認められているか」が重要になります。
面会と訪問の違い
訪問は、相手のいる場所へ出向く行為を広く表す言葉です。
取引先を訪問する、家庭を訪問する、観光地を訪問するといった使い方ができます。
一方の面会は、訪問先そのものよりも、そこで特定の人物と会うことに重点があります。
病院へ行っただけでは面会したことにはなりません。病室などで患者本人に会った段階で、面会したといえます。
会社を訪問して受付で資料を渡しただけなら訪問ですが、社長本人と会ったなら「社長と面会した」と表現できます。
面会では必ず会話をするのか
面会では、通常はあいさつや会話が行われます。
ただし、面談との違いを考えるときは、会話の有無ではなく、言葉の重点を見る必要があります。
面会は「会うこと」に重点があり、面談は「会って話し合うこと」に重点があります。
入院患者と短時間顔を合わせて見舞うなら面会です。
患者本人、家族、医療担当者が今後の退院支援について詳しく話し合うなら、その話し合いは面談やカンファレンスと呼ばれる可能性があります。
同じ日に、患者との面会と、医療ソーシャルワーカーとの面談の両方が行われることもあります。
オンライン面会も増えている
病院や施設では、遠方に住む家族や来院が難しい人のために、ビデオ通話を使ったオンライン面会が行われています。
複数の公立病院でも、自宅などから入院患者と話せるオンライン面会が案内されています。
ここでも、物理的に同じ場所で会うかどうかより、入院中の患者など、通常は自由に会えない相手との交流であることが名称の基準になっています。
「オンラインだから面談になる」というわけではありません。
面接とは質問や確認を通じて判断すること
面接は、あらかじめ定めた目的に沿って相手に質問し、得られた回答や態度などを判断材料にする場です。
就職や入学の選考がよく知られていますが、調査、相談援助、心理支援などでも使われます。
採用面接では適性や能力を確認する
企業の採用面接では、応募者の経験、能力、仕事への考え方、志望理由、希望条件などを確認し、採用基準に合うかを判断します。
応募者側にとっても、仕事内容、職場環境、条件などを確かめる場ですが、採否を決めるという明確な目的がある点が面談との大きな違いです。
厚生労働省は、採用選考について、応募者に広く機会を設け、本人の適性と能力に基づいて公正に判断することを求めています。家族、本籍、思想・信条など、適性や能力と関係のない事項を面接で把握することは、就職差別につながるおそれがあるとされています。
したがって、採用面接は何でも自由に質問できる場ではありません。
企業側には、仕事に必要な適性や能力を確認するための質問を設計し、応募者を公正に扱うことが求められます。
面接には質問する側と答える側がいる
面談でも質問は行われますが、面接では質問する側と答える側の役割がより明確です。
採用面接であれば面接官と応募者、入学面接であれば試験担当者と受験者、調査面接であれば調査者と対象者という関係になります。
質問項目や評価基準がある程度決められている面接もあれば、会話の流れに応じて詳しく聞く面接もあります。
社会調査などで使われる面接法には、あらかじめ同じ質問をする方法や、自由な会話の中から情報を引き出す方法があります。
この点からも、「面接は採用試験だけを指す」という理解は十分ではありません。
面接は合否が出る場だけではない
一般的な日常会話では、「面接」と聞くと採用面接や入学面接を思い浮かべる人が多いでしょう。
しかし、専門分野では、相談者の状況を把握するための面接、調査対象者から情報を得るための面接、心理的支援を行う面接などもあります。
辞書上の面接は、人と人が直接コミュニケーションを行い、情報収集、支援、説得などの一定の目的を達成する行為としても説明されています。
つまり、面接の本質は合否そのものではなく、目的に沿って相手から情報を得たり、状態を把握したりすることです。
オンライン面接でも選考の性質は変わらない
採用面接は、対面だけでなくオンラインでも行われています。
官公庁の採用案内でも、選考に当たる面接をビデオ会議で実施する例が案内されています。
オンラインになっても、応募者の適性や能力を確認し、採否を判断するという目的は変わりません。
そのため、オンライン面接も通常の面接と同様に、応募書類との整合性、質問への回答、通信環境、話し方などを準備する必要があります。
三つの決定的な違いは目的・立場・結果
面談・面会・面接を正確に区別するには、名称だけを見るのではなく、実施目的、参加者の役割、終了後に何が決まるのかを確認することが重要です。
三つの観点を押さえると、初めて見る案内でも、その場の性質を判断しやすくなります。
目的の違い
面談の目的は、相談、確認、相互理解、情報共有などです。
面会の目的は、特定の相手を訪ね、直接またはオンラインで交流することです。
面接の目的は、質問や観察によって必要な情報を集め、評価、選考、調査、支援などに役立てることです。
「相手と何をするために会うのか」を一文にすると、違いが明確になります。
「今後の働き方について話し合う」なら面談、「入院している家族に会う」なら面会、「応募者が採用基準に合うか確認する」なら面接です。
参加者の立場の違い
面談は、双方が質問や説明を行う双方向型になりやすい場です。
ただし、上司と部下、教師と生徒のように、組織上の立場は異なる場合があります。
面会では、会いに行く人と、病院や施設などで面会を受ける人という関係が生じます。面会を管理する施設が、時間や方法を決めることもあります。
面接では、面接する人と面接を受ける人の役割が明確です。
質問する側が進行し、回答や反応を確認する形が中心になります。
終了後に生じる結果の違い
面談の後には、目標、方針、今後の対応、次回までの課題などが決まることがあります。
面会の後には、必ずしも決定や評価が残るわけではありません。相手の様子を確認し、交流すること自体が目的になるケースも多くあります。
面接の後には、合否、採否、支援方針、調査結果など、何らかの判断が行われる可能性があります。
ただし、人事面談のように面談の内容が評価に使われる場合や、相談面接のように合否を出さない面接もあります。
言葉だけでなく、その後の取り扱いを確認することが大切です。
就職活動における面談と面接の違い
就職活動や転職活動では、面談と面接の違いが特に問題になります。
「カジュアル面談」「人事面談」「リクルーター面談」と案内されると、選考ではないように感じますが、実際の扱いは企業や採用段階によって異なります。
カジュアル面談は相互理解が中心
カジュアル面談は、正式な応募や選考の前に、企業と求職者が情報を交換する場として行われます。
企業側は事業内容、仕事内容、組織文化、働き方などを説明し、求職者側は興味のある点や不安な点を質問します。
採用面接よりも柔らかい雰囲気になりやすく、志望動機が完全に固まっていない段階でも参加できることがあります。
官公庁の採用案内でも、リクルーター面談を、組織や業務への理解を深め、採用面接に参加するか判断する機会として位置づけている例があります。
ただし、面談中の受け答えや態度が、担当者の印象に残らないわけではありません。
正式な合否判定をしない面談でも、その後の案内やコミュニケーションに影響する可能性を考え、最低限の準備はしておくべきです。
採用面接は選考を目的とする
採用面接は、企業が応募者を採用するかどうか判断するために行います。
職務経験、仕事に必要な知識や技能、志望理由、転職理由、入社後に実現したいことなどが確認されます。
企業によっては、一次面接、二次面接、最終面接というように、段階ごとに面接担当者や確認項目を変えています。
応募者も企業を見極める必要がありますが、面談と比べると、質問への回答が評価される性質が強い場です。
「面談」という名称でも選考を兼ねることがある
就職活動で最も注意したいのは、開催名と実際の運用が一致しない場合です。
企業が「面談」と呼んでいても、応募者の経験、志望度、人柄などを確認し、その後の選考対象者を絞っている可能性があります。
反対に、「面接」という名称でも、企業説明や応募者からの質問に多くの時間を使い、相互理解を重視する企業もあります。
名称だけでは判断せず、案内文に次のような表現があるか確認しましょう。
- 「選考には影響しません」と明記されているか
- 履歴書や職務経歴書の提出を求められているか
- 合否や次の選考について案内されるか
- 面接官、選考、審査などの表現が使われているか
- 志望動機や自己PRの準備を求められているか
判断できない場合は、「今回の面談は選考に含まれますか」と事前に確認しても失礼には当たりません。
選考要素がないと説明された場合でも、仕事内容や希望条件を整理し、質問を用意しておくと有意義な時間になります。
就職活動で面会という言葉を使う場面
一般的な採用活動では、求職者と採用担当者が会うことを「面会」と呼ぶケースは多くありません。
面会は、採用選考や情報交換よりも、特定の人物に会うことを中心とする言葉だからです。
たとえば、「紹介者の取り計らいで社長と面会した」「OB・OGとして役員と面会する機会を得た」といった表現は可能です。
一方、採用担当者から質問を受け、選考されるのであれば、通常は採用面接と表現したほうが伝わりやすくなります。
ビジネスや職場での使い分け
ビジネスでは、面談・面会・面接の三つが、それぞれ異なる目的で使われています。
社内のコミュニケーションなのか、社外の人物との正式な対面なのか、採用や調査のための聞き取りなのかを見れば、適切な言葉を選べます。
上司と部下が話す場は面談
上司と部下が、業務の進捗、目標、悩み、キャリア、評価結果などを話し合う場は、一般に面談と呼ばれます。
「評価面談」「目標設定面談」「キャリア面談」「1対1の定期面談」などが代表例です。
デジタル庁の採用情報でも、マネジメントを担当する職員とメンバーが定期的に一対一で話す取り組みが、面談として紹介されています。
ただし、職場の面談にはさまざまな目的があります。
部下の悩みを聞く面談と、人事評価の結果を伝える面談では、話す内容も緊張感も異なります。
案内を受けたら、面談名だけでなく、目的、参加者、準備物、記録の有無を確認しましょう。
来客が役職者と会う場は面会
取引先や訪問者が、社長、役員、責任者などと正式に会う場合は、面会という言葉を使えます。
「社長への面会を申し込む」「大使との面会が実現する」といった表現です。
面会には、相手の予定を確保し、許可や紹介を受けて会うという改まった響きがあります。
日常的にやり取りしている同僚同士が打ち合わせる場面で、「同僚と面会する」と表現すると、必要以上に堅く、不自然に聞こえる可能性があります。
その場合は「会う」「打ち合わせる」「面談する」などが適切です。
採用や調査のために質問する場は面接
企業が応募者を評価する採用面接では、面接という言葉を使います。
また、社内調査や研究などで、対象者に一定の目的を持って聞き取りを行う場合も、「面接調査」「インタビュー調査」と表現されることがあります。
通常の業務相談や意見交換であれば面談、判断や情報収集のために質問者と回答者の役割を明確にするなら面接、という区別が基本です。
学校や教育現場での使い分け
学校では、児童生徒、保護者、教師が話し合う面談と、入学者を選考する面接が明確に使い分けられています。
同じ教師と生徒の会話でも、目的によって名称が変わります。
個人面談や三者面談は情報共有の場
教師と生徒が学校生活や学習状況について話す場は、個人面談と呼ばれます。
教師、生徒、保護者の三者で話す場合は、三者面談という名称が一般的です。
三者面談では、成績を伝えるだけでなく、進路希望、学校での様子、家庭での過ごし方、今後の学習方針などを共有します。
特別な支援が必要な場合には、本人や保護者の困りごとを聞き、学校で可能な支援や家庭との役割分担について話し合うこともあります。
そのため、学校の面談は単なる報告会ではなく、今後の対応について認識をそろえる場として捉える必要があります。
入学面接は選考の場
学校が受験者に質問し、入学者としての適性や意欲などを確認する場は、入学面接です。
志望理由、入学後に学びたいこと、これまで力を入れたこと、学校生活への考え方などが質問されます。
教師との個人面談とは異なり、回答内容などが合否判断の材料になるため、受験者には事前準備が必要です。
「学校の先生と話す」という表面的な共通点だけでなく、相談なのか選考なのかを見ると区別できます。
学校で面会を使う場合
学校で面会という言葉を使う機会は、面談や面接と比べると限定的です。
たとえば、外部の人が校長との正式な面会を申し込む場合や、寮・施設などにいる児童生徒と家族が会う場合には使えます。
一方、保護者と担任が子どもの学校生活について話し合うなら、通常は「保護者面談」や「個人面談」と表現します。
会うこと自体ではなく、話し合いが中心だからです。
病院・福祉施設・刑事施設での使い分け
病院や各種施設では、「面会」という言葉が頻繁に使われます。
一方で、患者や利用者の状態、今後の支援、退院後の生活などを話し合う場は面談と呼ばれ、専門的な聞き取りでは面接という用語が使われることもあります。
入院患者や入居者に会うなら面会
家族や知人が、入院患者や施設の入居者を訪ねて会う場合は面会です。
この場合、病院や施設が面会時間、人数、場所、予約方法などを定めています。
面会者は、自分と患者の都合だけでなく、治療、休養、ほかの患者への配慮、施設の衛生管理などを考える必要があります。
面会のルールは施設や時期によって変わるため、以前に訪問したことがある病院でも、事前に最新の案内を確認しましょう。
治療や生活支援について話すなら面談
医師、看護師、医療ソーシャルワーカー、ケアマネジャーなどと、治療方針、退院後の生活、介護サービス、費用、家族の支援体制について話す場は、面談と呼ばれることがあります。
ここでは、専門職から説明を受けるだけでなく、本人や家族の希望、生活上の事情、心配事などを共有することが重要です。
患者に会う「面会」と、支援内容を相談する「面談」は、同じ日に続けて行われる場合でも目的が異なります。
「家族との面会後、担当者との退院支援面談を行った」と書けば、二つの行為を明確に区別できます。
相談援助では面接という専門用語も使われる
福祉、心理、医療、教育などの専門領域では、相談者の状態や課題を把握し、支援につなげる対話を「面接」と呼ぶことがあります。
この面接は、合否を決めるためのものではありません。
専門職が一定の目的と方法に沿って話を聞き、相談者の状況を理解して支援する行為です。
一般利用者向けの案内では「相談」「面談」と表現されることも多いため、日常語としての面接と専門用語としての面接を区別する必要があります。
面談・面会・面接を正しく選ぶ判断方法
文章を書くときや予定を案内するときは、相手に誤解を与えない言葉を選ぶことが大切です。
特に「評価されるのか」「何を準備するのか」「施設の許可が必要なのか」が伝わるようにすると、参加者が適切に行動できます。
目的を一文で表してみる
どの言葉を使うか迷ったら、まず、その場の目的を一文で書き出します。
- 相談し、今後の方針を話し合うなら「面談」
- 病院や施設にいる特定の人に会うなら「面会」
- 質問を通して適性や状態を判断するなら「面接」
- 単に予定を合わせて会うだけなら「会う」や「打ち合わせ」も検討する
「面」が付く言葉を無理に使う必要はありません。
日常的な社内会議や取引先との商談なら、「打ち合わせ」「会議」「商談」のほうが目的を正確に伝えられることもあります。
よく使われる動詞との組み合わせを見る
面談では、「面談を行う」「面談を実施する」「面談で相談する」「面談を受ける」といった表現が使われます。
面会では、「面会を申し込む」「面会を許可する」「面会する」「面会を断る」など、会うための手続きや可否に関する動詞がよく組み合わされます。
面接では、「面接を受ける」「面接を実施する」「面接で質問する」「面接に合格する」といった表現が一般的です。
周囲の動詞を見ることで、それぞれの言葉が持つ性質も理解しやすくなります。
案内文では具体的な目的を添える
「来週、面談を行います」とだけ伝えると、受け手は何を話すのか、評価に関係するのか判断できません。
「来週、今期の目標と業務上の課題を確認する面談を行います」と書けば、準備すべき内容が明確になります。
採用活動でも、「会社について相互理解を深めるカジュアル面談であり、選考には含みません」「今回の面接は採用選考の一部です」と説明すれば、名称と実態のずれを防げます。
面会については、相手、場所、時間、予約の要否、人数制限などを明記することが重要です。
間違えやすい考え方と注意点
面談・面会・面接には、辞書上の意味だけでは判断しにくい例外があります。
ここでは、特に誤解しやすい点を整理します。
面談なら評価されないとは限らない
人事面談や評価面談では、話した内容が人材育成、配置、目標設定、評価結果の説明などに関係します。
採用活動の面談でも、正式な選考ではない一方で、担当者が応募者の考え方やコミュニケーションの様子を把握する場合があります。
重要な面談では、目的を確認し、話したいことを整理して参加しましょう。
ただし、面接のように模範解答を暗記する必要はありません。
事実と希望を整理し、相手と認識を合わせることが面談の中心です。
面接は採用や受験だけではない
面接は、採用面接や入学面接以外にも、調査、心理支援、福祉相談などで使われます。
「面接」という名称だけを見て、必ず合否が出ると考えるのは正確ではありません。
何を目的に、誰が誰に質問し、その情報を何に使うのかを確認する必要があります。
面会でも会話は行われる
面会は会うことに重点がある言葉ですが、会話をしないという意味ではありません。
病院や施設の面会では、相手の体調を気遣いながら会話をするのが一般的です。
面談との違いは、話すか話さないかではなく、相談や情報共有が行為の中心か、それとも相手を訪ねて会うことが中心かという点にあります。
オンラインか対面かだけでは区別できない
面談、面会、面接はいずれも、オンラインで行われることがあります。
したがって、ビデオ通話だから面談、同じ部屋で会うから面会、といった区別はできません。
オンライン面談は話し合い、オンライン面会は患者や入居者との交流、オンライン面接は評価や選考というように、実施方法ではなく目的で判断します。
面談・面会・面接に関するよくある質問
三つの言葉は場面によって重なるため、どちらを使っても意味が通じるケースがあります。
それでも、相手が受け取る印象や必要な準備は異なるため、中心となる目的に近い言葉を選ぶのが基本です。
面談と面接ではどちらが堅い表現ですか
一般的には、面接のほうが評価や選考を伴う印象が強く、緊張感のある表現です。
面談は相談や情報共有を示すため、比較的柔らかい印象があります。
ただし、「評価面談」「懲戒に関する面談」のように、面談でも重要かつ緊張感のある場はあります。
言葉の印象だけでなく、具体的な目的を確認してください。
社長と話す場合は面談と面会のどちらですか
社長に会うこと自体を表すなら、「社長と面会する」が適しています。
経営課題、契約、採用、相談などについて詳しく話し合うことに重点を置くなら、「社長と面談する」と表現できます。
たとえば「社長との面会が実現し、今後の事業提携について面談した」と書けば、会えたことと話し合ったことの両方を区別できます。
カジュアル面談に履歴書は必要ですか
企業から提出を求められていなければ、必須とは限りません。
ただし、自分の経歴や関心のある仕事を簡潔に説明できるようにしておくと、話が進みやすくなります。
職務経歴書を提出する場合や、面談後すぐに選考へ進む可能性がある場合は、内容を見直しておきましょう。
企業によって面談の位置づけが異なるため、案内文の確認が必要です。
三者面談と三者面接は同じですか
通常、同じ意味ではありません。
三者面談は、教師、生徒、保護者などが状況や今後の方針について話し合う場です。
三者面接と表現した場合は、三者が参加する選考・調査・専門的聞き取りという印象になります。
学校の進路や生活について話し合う一般的な場面では、三者面談が自然です。
病院で医師と話すのは面談ですか
診療として医師が患者を診る場合は、通常「診察」と呼びます。
治療方針や退院後の生活などについて、時間を設けて詳しく話し合う場合は「面談」と呼ばれることがあります。
入院している知人や家族を訪ねる行為は「面会」です。
誰と、何の目的で話すのかによって言葉が変わります。
まとめ|話し合いは面談、会うことは面会、判断のための質問は面接
面談・面会・面接は、いずれも人と人が向き合う場を表しますが、中心となる目的が異なります。
面談は相談や情報共有、面会は特定の相手に会うこと、面接は質問や確認を通じた評価・調査を表すのが基本です。
最後に、使い分けの基準を整理します。
- 双方が状況や希望を話し合うなら面談
- 病院や施設などにいる特定の相手を訪ねるなら面会
- 質問によって適性、能力、状態などを判断するなら面接
ただし、面談でも人事評価に関係することがあり、面接でも必ず合否が出るとは限りません。
また、三つともオンラインで実施できるため、対面かオンラインかではなく、その場の目的、参加者の役割、終了後に行われる判断を確認することが大切です。
名称だけで判断せず、「何のために会うのか」「誰が進行するのか」「内容が評価や決定に使われるのか」を確認すれば、言葉の意味を取り違えにくくなります。